大阪大学における大きな事件を語る(特別寄稿)

(長谷川昭次郎さんの特別寄稿)
hasegawa1 私は前々から是非書き残しておきたいと思いながら、つい忘れかけていたことが、5年前に東京の八王子に移って来て偶然図書館で、京都大学の「大学紛争」の書を目にして、強い衝撃を受け、私が書きたかったのもこのことだと思い、読むうちにその内容に強い感動を覚えたのです。

大阪大学でも同様に、大学紛争によって未曾有の被害を受けたからです。大学史にはほんの数行で済まされていますが、その中身には深く数多くの物語があり、その当時の首脳陣の苦悩や紛争解決に協力された多くの教職員のご苦労があったのです。

名誉なことは顕彰して長く伝えられますが、そうでないことは忘却されるのが世の常です。しかしこの紛争のことは、次代の職員には是非知っておいて欲しいと思ったのです。知っておくことがご苦労された方々に対する感謝になると思うのです。

災難は何時どのような形で起こるかわかりません、そのために最近は特に危機管理が大きく叫ばれるようになりました。過去にあった被害で参考になるものがあれば、その時に生かせるように考えておくことも、前人への礼になると思ったのです。

それともう一つは、大阪大学での前代未聞の不祥事(入学試験問題の漏洩と不正入学)です。このようなことは二度とあってはならないことですが、知らずに目を背けていては今後の用心にもならないと思ったのです。

私は今年満90歳を迎えて高齢の晩年となり、余生幾ばくも無いことを考えると、当時のことを知る者として、そのことに黙しておらず話すべきだと決意し、多少なりとも記憶が残っている今の間に、最後の務めとして記述することにしました。

爺となり稚拙な文章しか書けない私が書くことは、誠に僭越でありお叱りも覚悟はしておりますので、より詳しくご存じの先輩諸兄からも、是非この話の補足修正をしてくだされば、誠に有り難いことです。
平成29年2月     長谷川昭次郎

 別紙1 「大学紛争の経過」は→こちら        (PDFファイルです)

別紙2 「紛争当時の事務局の状況」は→こちら    (PDFファイルです)

別紙3 「紛争中の入学試験』は→こちら       (PDFファイルです)

別紙4 「入試問題の漏洩と不正入学事件」は→こちら (PDFファイルです)

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大阪大学における大きな事件を語る(特別寄稿) への1件のコメント

  1. 植田守彦 のコメント:

    大学紛争について
    正直言いましてあの当時の学生達は何だったのかと思います。私立大学二部卒業生であった私は、彼らは贅沢すぎると思いました。当時の世の中分かってないなと言われてもそう考えます。変化を求めるのであれば、大学で勉学に励み世に出て変化を求めればいいのです。良い大学に入りながら、建物を破壊し、国有財産に損害を与えた行為はどのような理由があろうと擁護出来ません。

    不正入試と警察の捜査
     刑務所というところは犯罪者を矯正・更生させ社会人として世に送り出す施設です。しかし、幾ら世間から隔絶された空間とは言え、職員を除けば中に収容されている人達は犯罪を犯した人々です。そこで入試問題を扱っているとは、当時素人として腑に落ちない問題でした。教務の仕事を全くやったことのない人間ですが、そのように思いました。しかし、善人も言えども心に隙間が出来れば犯罪を犯してしまいます。そうなれば何処で入試問題を扱って良いのか分からなくなります。ことが事だけに警察の追求は厳しかったようですね。
     小生がK学部に居たとき、国費T国留学生が自販機の売上金を盗んだ疑いのため、T警察署がやって来ました。小生も警察署に何度も呼ばれました。警察官が留学生の下宿に入って捜索すると、コインが山のように出てきました。また彼の友人が(同国人)犯罪歴のあった人間でしたので、これは間違いなく逮捕されると思いました。だが警察は証拠がないとして、逮捕しませんでした。大学としては有り難かったですが、未だに彼の下宿に山のように何故百円・五百円玉があったのか分かりません。疑わしきは罰せずですかね。

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