老人には晩酌こそが至福

 (長谷川昭次郎さんの投稿)

 各地では、地震、水害でご苦労なさってる時期にこんなのんきな随筆を書くなんて誠に失礼したと恐れ入っています。 そろそろ私も耄碌が始まったようで恥ずかしい次第ですが老骨に免じてお許し有れと頭を下げつつ近況まで。

私はあまり健康でもなかったのに酒が好きで、飲み会があると喜んで出席した。定年退職後は老体を考えて深酒は控えるようになったが、休肝日など考えたこともなく、晩酌こそが長寿の秘薬であり、ほろっとした酔い心地がなんとも最高の幸せと思っている。

 実は昨年秋に軽い心不全になり、緊急入院して体に溜まった水3ℓを脱水、AEDのお蔭で体調も良くなり、今は血圧・脈拍もほぼ平常で無理をしなければ安心と言われている。

 赤ワインそのこともあって、最近は日本酒よりも4度ほど低いワインに興味を持ち、インターネットで名のあるリカーショップのキャンペーンを調べ、金賞を取った銘柄で比較的値頃な赤ワインを選んでまとめ買いをしている。ワインには各国の高級品から地酒のようでも金賞を受けている銘柄もあるので、それを調べるのもまた楽しみである。

晩酌の仕方も、ひとが見れば貧乏くさく思われそうで恥ずかしいが、先ず最初がビールを小コップに一杯、これがなんとも言えない旨いのである。のどごしと胃に広がる冷たさと香りこれでほっと一息、残ったビールは明日のために冷蔵庫(ガス抜けなど気にしない)それからが冷えたワインである。
ワイナリーワインのラベルを見て調べたワイナリーと広がるワイン畑を思い浮かべ、その国にワイン旅行をしている気分になって、つまみを嗜みながら小コップ一杯程度をちびりちびりと飲むのである。つまみや菜がなくなっても飯を肴にしてでも楽しみながら飲めるのが、今までの修行の賜物?と一人悦に入っている。一口ひとくち口の中でコロガシて玩味して、喉から腹に染みわたって冷えたのが温まり、快い酔いを誘い出し時には目をつむることがあって妻に注意をされる。その気持ちが天下泰平極楽浄土を浮遊しているようで、なんとも幸福の至りである。またこの気分を味わうともっと長生きがしたくなって困ったものである。

 さて寿命がいつまであるのか、年金の生活が何時まで続けられるのか?、なるようになるだろうと覚悟を決めて、老夫婦でとぼとぼと老いの坂を上ることにしている。
 また一方思うに、体の弱い私がこの年まで生きてこれて、気が向けばなんでも挑戦したくて多少の失敗にも気にせず、得心するまで続けてこられたのが、健康にも良かったようで心の支えと癒しにもなったのだと思い、時どきそのことを懐かしく思い出すのである。

 最後に、地震、豪雨で被災された皆様に心からお見舞い申しあげます。一日も早い復旧を願っております。

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