2013年 大阪大学の近況報告

topoyama尾山理事から2013年大阪大学の近況報告がありました。
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 p1「大阪大学の集い」
昨年12月7日に、東京の学士会館において開催し、卒業生やOB、現役の教職員など200名を超える方に参加いただきました。この「大阪大学の集い」は、昨年まで開催の「大阪大学卒業生の集い」から、卒業生に限らず、関東方面に在住・勤務される大阪大学に関係のある皆様に広くご参加いただけるよう、名称を改め開催したものです。当日は、経済学部ご卒業の日本クラフトフーズ株式会社 井上ゆかり社長からご講演をいただきました。その後行われた交流会では、名刺交換をされている方や、在学中の思い出や近況について話に花が咲く様子があちこちで見受けられ、阪大ファミリーの交流を深める機会となりました。


大阪大学リーダーズフォーラム
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2月5日に、大阪大学会館において、開催しました。本フォーラムは、大阪大学、大阪外国語大学ご出身の経営者の方々に阪大の“いま”をお伝えするとともに、本学出身の経営者同士、卒業生と本学役員・教員・学生との関係を深めることを目的に今回初めて開催したもので、本学出身の経営者や本学関係者など約170名の参加がありました。講演会では、工学部ご卒業の日本マイクロソフト株式会社 樋口泰行(ひぐち やすゆき)社長からご講演をいただきました。その後、本学出身の経営者と本学の教員、学生のパネルディスカッションを行い、懇親会では、参加者同士が名刺交換を行うなど大いに親交を深めることができました。 そして、出席者一同が阪大ファミリーとして、「創立100周年を迎える2031年に世界トップ10の研究型総合大学を目指す」という想いを共有できた場になりました。

大阪府立高等学校 進学指導特色校10校による合同発表会p3
2月9日に、大阪大学会館において、開催しました。 これは、昨年7月に大阪大学と大阪府教育委員会が連携協定を締結したことから、今回初めて高校生が大阪大学で研究発表を行うこととなったものです。 発表会では、進学指導特色校各校の代表グループが、人文・社会科学系のテーマについてプレゼンテーションを行いました。大阪大学では、今後も次世代のリーダーとなるグローバル人材の育成等のため、このような取り組みを一つの契機として高大連携を進めていくこととしています。

三大学連携シンポジウムp4
大阪大学、京都大学、神戸大学が連携したシンポジウムを、2月22日に神戸大学において『大規模シミュレーションが解き明かす世界』をメインテーマとして開催いたしました。シンポジウムでは、シミュレーション、特に「京(けい)」に代表される世界に冠たるスーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションで解き明かす世界について、本学蛋白質研究所の中村 春木教授らが最新の研究成果などを基調講演として発表し、パネル討論では、スーパーコンピュータ「京」のこれからの研究内容の可能性について、来場された方々と共に議論が進められました。

 p5 金森順次郎先生の追悼講演会及びメモリアルパーティー
、昨年11月13日に逝去された元総長 故金森順次郎先生のご遺徳を偲び、追悼講演会等が3月1日に、リーガロイヤルホテルで開催され、金森先生の古くからの友人や門下生、学会関係者など、約250名の参加がありました。先生は、昭和29年に理学部に採用され、同40年に理学部教授、平成元年に理学部長、同3年に総長に就任、退職されるまでの43年に亘り、教育と学問の発展、さらに管理運営等において、大きな貢献をされました。追悼講演会では、篠原 厚理学研究科長の開会の辞のあと、赤井久純先生、楠本正一先生、畑田耕一先生の各本学名誉教授、平尾泰男東京大学名誉教授、斯波弘行東京工業大学及び東京大学名誉教授による金森先生のご業績や思い出話等についてそれぞれ講演があり、最後に、平野総長から追悼の言葉が申し述べられました。また、メモリアルパーティーでは、熊谷信昭元総長の挨拶のあと、岸本忠三元総長の献杯で始まり、先生の生前の思い出やご功績などを偲んで、多くの語らいがあった後、生前に親交の深かった方々からのスピーチ、金森家を代表して、ご子息の金森嘉夫様からご挨拶があるなど、金森先生の温かいお人柄に包まれた一時となりました。

 p6脳情報通信融合研究センターの開所式
3月6日に大阪大学吹田キャンパスにおいて、開所式を行いました。同研究センターでは、今後の新たな研究領域として発展が期待される脳情報通信分野において、独立行政法人情報通信研究機構等関係機関との連携及び協力のもと、世界最高水準の先端的な融合研究を推進していきます。

 

 p7大阪大学シンポジウム「創ること 超えること」
3月24日に毎日新聞社オーバルホールで開催し、約380名の学生や市民の方々に参加いただきました。第1部においては、平田オリザ教授と藤田喜久雄教授の講演、作曲家・尺八演奏家の中村明一氏の講演および演奏をお聴きいただきました。第2部は、この3名の方々と、本学法学部卒業の毎日放送アナウンサー 西 靖氏の総合司会による座談会を行い、グローバル化する世界の多様な価値観の中で、日本の文化、日本の教育が今後どうあるべきか、次世代に求められる人材とは、などについて、専門的見地と多様な視点から意見が交わされました。

 p8平成24年度卒業式・大学院学位記授与式
3月25日に、大阪城ホールで挙行しました。3,385名の学部生が卒業し、2,097名に修士の学位、57名に法務博士、521名に博士の学位を授与いたしました。平野総長から式辞において「己を知り、己を磨き、世界に羽ばたいて欲しい」というメッセージが送られました。また、記念講話を、本学卒業生の日立造船株式会社の古川 実 会長兼社長にお願いし、「グローバル競争で生き残るためには常に時代の変化に適応してゆかなければならない。視野を世界に拡げ、限りない夢に挑戦してください」とエールをいただきました。

 p9平成25年度入学式
4月3日大阪城ホールにおいて挙行し、学部3,536名、大学院2,951名が入学しました。あいにくの天候ではありましたが、会場を満席にする新入生および保護者の方がホールに集まりました。平野総長から告辞において「この瞬間の、この感激を忘れずに、大いなる志と夢をもって、大鵬のように大空に羽ばたいてほしい」とメッセージが送られました。

 p10「大阪大学未来トーク」
この4月から、アカデミックな雰囲気のあふれるキャンパス環境を醸成するため、分野を超えた研究者、学部の異なる学生が、自然に交流できる機会として、また本質に迫る考え方を学ぶ新しいタイプの講義として「大阪大学未来トーク」を実施しています。これまで、第1回の平野総長をはじめ、ラーシュ・ヴァリエ スウェーデン大使、神余 隆博 関西学院大学副学長(前在ドイツ特命全権大使)、南部 陽一郎 大阪大学特別栄誉教授(2008年ノーベル物理学賞受賞)、建築家の安藤 忠雄氏(東京大学名誉教授)の5名の方の講演が行われました。いずれの講演においても、講演後の質疑応答では参加者から熱意ある質問が出るなど、分野を超えた研究者や学生が交流できるよい機会となりました。なお、11月の第6回は、西岡 郁夫㈱イノベーション研究所社長、12月の第7回は、千 玄室裏千家第15代・前家元、来年1月の第8回は、佐川 眞人インターメタリックス㈱最高技術顧問の講義を予定しています。

 p11、「大阪大学未来戦略シンポジウム~未来へ始動~」
6月1日に、うめきた・グランフロント大阪で開催しました。シンポジウムでは、大阪大学が新たに立ち上げた未来戦略機構が挑む新しい研究・教育の可能性について平野総長が講演を行ったほか文部科学省高等教育局の板東久美子局長、関西経済連合会の松本正義副会長から、国や経済界から大阪大学に寄せる期待について講演いただきました。さらに、現在進行中の博士課程教育リーディングプログラムの新たな大学院教育への挑戦や、未来を切り拓く異分野融合研究の取組として創薬基盤科学や認知脳システム学、光量子科学についても報告しました。数年後には、教育と研究の双方から全く新しい人材や知識が生み出され、大阪大学から社会に、大きな貢献をもたらすことができるのではないでしょうか。会場を満席とする350人と共に、大阪大学の「未来」への期待が「確信」に変わる催しとなりました。

 天皇、皇后両陛下の行幸啓

p12本学にとって記念すべき出来事として、天皇、皇后両陛下が6月25日に、大阪大学会館にある適塾記念センターをご訪問され、本学の『原点』である適塾ゆかりの資料の数々を熱心にご覧になられました。33年前の1980年、天皇陛下がまだ皇太子殿下でいらっしゃった頃にも大阪北浜の適塾を、お二人揃ってご視察いただきました。今回の大阪大学ご訪問も両陛下の強いご希望があり、実現したものです。 両陛下との懇談の席では平野総長から大阪大学の教育研究の質の高さや、阪大学生の熱心な勉学意欲、卒業生の方々の活躍ぶりなどのお話をされました。大学を挙げて両陛下のご訪問を歓迎し、学生、教職員数百名が大学会館前や沿道に集まり、両陛下はにこやかにお手を振られて応えられるなど、本学は奉祝ムードに包まれました。

 安倍晋三内閣総理大臣が豊中キャンパスをp13ご訪問
両陛下ご訪問から3日後の6月28日、安倍晋三内閣総理大臣が豊中キャンパスを訪れ、本学代表の学生と大阪府、兵庫県の国公私立大学からの学生のあわせて7名の学生と懇談されました。懇談は、板東久美子文部科学省高等教育局長(現:文部科学審議官)の進行で進められ、学生生活や勉学、進路や就職など、自分の考えや日頃感じていることについて学生から活発な発言がありました。 安倍総理からは、「しっかりした目的意識を持っている。みなさんたくましい。これからも夢に向かって進んでほしい」と、学生に励ましの言葉がありました。終了後、学生たちは、「安倍総理とお話ししてとてもよかったです。貴重な経験になりました。」と話していました。

 p14「大阪大学特別教授制度」により、初の特別教授の称号
7月1日には、新設した「大阪大学特別教授制度」により、初の特別教授の称号を10名の教員に付与しました。特別教授の皆さんには、大阪大学の顔として、さらに先導的な役割を担い、活躍していただきたいと考えております。今回は、学内の教授ばかりでしたが、今後は国際的にも活躍する研究者を世界中から招くための制度としても活用します。

総合グラウンド( 吹田キャンパス)が、人工芝仕様の全天候型グラウンドにp15
吹田キャンパスの総合グラウンドが、人工芝仕様の全天候型グラウンドに生まれ変わり、7月2日オープニングセレモニーが行われました。大阪大学の3キャンパスにあるグラウンドでは初めての人工芝グラウンドとなりました

適塾創設175周年・緒方洪庵没後150年記念大阪大学シンポジウム

p16 8月3日、緒方洪庵没後150年記念大阪大学シンポジウム「医の知の未来へ」を、うめきた・グランフロント大阪・コングレコンベンションセンターで開催しました。第1部では、西田幸二医学系研究科教授が、「眼とiPS細胞の未来」と題し、健康や寿命、再生医療について、川崎和男特任教授が、「適塾橋本左内と先端デザイン学」と題して、デザイン、医療、危機管理、塾生橋本左内について、最後に作家 久坂部羊氏が老人医療に携わった経験や自身の看護体験について講演されました。第2部では、読売放送アナウンサー 脇浜紀子氏の総合司会により講演者3人の座談会が行われ、日本人の“いのち”の未来について考える場となりました。

 p17、「未来研究イニシアティブ・グループ支援事業」
本学の未来戦略を推進していく方策の一つとして、大阪大学ならではの基礎研究の推進や、国家的課題解決に向けた研究にイニシアティブを発揮するための新たな研究分野の創出を目的とした、「未来研究イニシアティブ・グループ支援事業」を創設し、学内公募を行いました。提案のあった25件の事業について、審査委員会において審査を行い、9月19日に11件の事業を選定しました。これらの事業には、今後3年間にわたり、研究プロジェクト拠点事務局経費、シンポジウム開催経費などの支援を行うこととしています。

全国七大学総合体育大会(通称:七大戦)の閉会式

p189月21日午後、大阪大学会館講堂にて第52回全国七大学総合体育大会の閉会式が行われました。今大会は本学を主管校として、昨年12月のアイスホッケーを皮切りに約9カ月間に渡り、全31種目で熱戦が繰り広げられました。優勝は東北大学、準優勝が京都大学で、本学は第3位と健闘いたしました。平野総長から選手の健闘が称えられ、また大会運営に携わった学生の労に対し、ねぎらいのお言葉がありました。

 p19大学院学位記授与式
9月25日、コンベンションセンターMOホールにて、大学院学位記授与式が行われました。授与者は241名を数え、修士及び博士の受領代表者21名に学位記が授与されました。列席した受領者に平野総長から、「伝統ある大阪大学で学んだ者として、大きな誇り、強い自信、高い理想を持つとともに、『ノブレス・オブリージュ』(高貴さは責務を伴う)の言葉を忘れずに一人ひとりが社会人としての責務と役割を立派に果たしていただきたい。」とメッセージが送られました。

 p20キャンパス整備の状況
バイオテクノロジー分野の国際交流拠点として期待される生物工学国際交流センターバイオテクノロジー国際交流棟、微生物病研究所南棟をリニューアルして完成した最先端感染症研究棟、豊中福利会館の改修、豊中キャンパスグラウンド横の清明寮の改修、等の整備を行いました。

 p21本学の最近の主な受賞等
文化功労者として、 柳田 敏雄名誉教授(生命)が受章されました。また、本年の春と秋の叙勲では、12名の方が受章されました。このほか、菊地 和也教授が大阪科学賞を受賞されました。

 

「世界10指に向けた部局マネジメント及び人材育成・獲得支援策」

p22現在、本学が進めております教育・研究をレベルアップするための施策として、「世界10指に向けた部局マネジメント及び人材育成・獲得支援策」を実行します。この支援策は4つのカテゴリーに分けていますが、先ずは、卓越した外部人材の招致として、3本。内部人材の更なるパワーアップとして、6本。 グローバル化の強化推進として、2本。 また、部局マネジメントの充実のために、2本の施策が動きだしています。

 p23「大阪大学未来基金」
これらの施策を実行し、大学が発展を遂げていくためには、自らの戦略に基づいて使用できる基盤的財源の拡充が重要となります。大阪大学では、将来に向けて持続的な財政基盤を構築していくために、2009年5月に「大阪大学未来基金」を設立しました。大阪大学未来基金は、皆さまからいただいたご寄付を、現在そして未来の阪大生の支援や、大阪大学の教育・研究、国際交流、社会貢献活動などに活用していきます。具体的な活用方策を簡単にご紹介いたしますと、教育面では、健康で快適なグローバルキャンパスを実現するために、「教育環境の整備」や「課外活動の支援」など教育のサポートを行っていきます。研究面では本質を究め未来を創造する研究を推進するために、「基礎研究の推進」や「若手研究者の支援」など行うことにより、大阪大学が世界最高レベルの研究拠点大学としての国際的なプレゼンスを高めていくよう貢献していきます。国際交流関係では、世界に通用する人を育むために、「グローバル人材の育成、特に海外留学の支援」や「外国人留学生への支援」などを行うことにより、学生や留学生のサポートを行っていきます。これら事業を行うため、受入目標を10年間で100億円と定めています。

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大阪大学未来基金に皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。

 

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大阪大学のホームページ
昨年ホームページをリニューアルし、学生の皆さんの活動、研究情報、様々な取り組みなど、最新のニュースをスピーディーに掲載しています。大阪大学の活動の成果を、目に見える形で国内外に積極的に発信していきますので、皆様方にもぜひ頻繁に訪れていただきたいと思います。